大川隆法総裁法話「泥中の花」より抜粋

（『信仰のすすめ』第1章 所収）

この世の中は、すべてを浄化してきれいにするようなことはできない。

しかし、その泥の中でも蓮の花が咲くように、あなたがたも一輪の花を咲かせなさい。

それが、あなたの環境の中における悟りなんだということなんですね。

その環境自体を変えることはできない。

あなたが味わったその過去の不幸それ自体を、全部帳消しにすることはできない。

しかし同じ環境の中にあっても、全員が全員、不幸な環境に生まれたから不幸な最後までいかなきゃいけないというわけじゃないでしょう。

その中で、あなたがたは心を磨いて、自分の道を求めて一輪の花を咲かすことはできるんじゃないですか。そういうことを（仏陀は）説いていたわけですね。

それはどの人にも可能なはずですよと。

その意味での悟りはありえる。

「あなたの境遇・境涯・環境の中において一輪の花を咲かせる」という悟りはありえる。

客観的な条件が全部そろえば幸福って、こんなことはないです。

人がうらやむような環境に生まれて全ての条件を持ってるような人で、心は虚しく暮らしている人はたくさんいる。

しかし、ささやかな環境の中でも光り輝いている人はたくさんいる。

仏教的には、その光り輝きを目指し取ることが大事なんだと。

「周りの環境や自分自身の今までの生き方や、今の心を見れば泥沼かもしれないけれど、そこからささやかでもいいから悟りの花を開かせなさい」ということです。

「どのような環境下においても自分なりの一輪の花を咲かす」ということが、「人生は一冊の問題集である」という言葉に対する答えでもあるということですね